海外移住手続き

【海外移住FPが回答】海外に移住で国民健康保険や健康保険はどうなる?

海外移住をすると国民健康保険や健康保険がどうなるかを知りたい人向け。

海外移住したい人
海外移住したい人
「海外で生活することになると、ケガとか病気が心配です。国民健康保険や健康保険を使いたいけど、移住後はどうなるのかな。」

こういった疑問に@海外移住FPが回答します。

このサイトではブログを書きつつ、海外移住の手続きや海外生活のコツを紹介しています。

海外で病院に行くと日本と比べて高額になるという話もあるし、できれば医療を受けるなら日本で受けたいと思う人も多いでしょう。

日本には公的保険があるので、実質3割負担で診療や治療などを受けることができます。なので、できれば移住後も公的保険を使い続けたいですよね。

では、海外移住をすると国民健康保険や健康保険はどうなるのでしょうか?

そこで、今回は「海外移住をしたら国民健康保険や健康保険はどうなる?」をご紹介します。

このコラムでは、「海外移住にかかわる公的保険の基礎知識」や「公的保険のよくある疑問」が分かります。

海外でケガや病気になった場合のことを考えて、公的保険の基礎知識を知っておきましょう!

海外に移住すると国民健康保険や健康保険はどうなる?

海外移住をすると、国民健康保険や健康保険は住民登録を抹消するかどうかで扱いが変わります。

海外移住といっても、ワーキングホリデー、海外留学、海外転勤、海外就職、親子移住、ロングステイなどスタイルが様々です。

スタイルによって住民登録を抹消したほうがいいのか、日本に住民票を残したままのほうがいいかが変わってきます。

では、住民登録を抹消すると抹消しないのとでは何が違ってくるのでしょうか?

住民登録を抹消するかどうかで決まる公的保険

住民登録を残さない場合

公的保険には自営業者やフリーターなどが加入する「国民健康保険」とサラリーマンなどの会社員が加入する「健康保険」があります。

どちらも日本国内に住民登録があり、一定条件を満たせば加入が義務です。

つまり、住民登録を抹消して海外移住をすると、公的保険は強制脱退となります。

もし公的保険を使い続けたい場合は、住民登録を残して海外移住をすることになります。住民登録を抹消する義務はないので、脱退しないで渡航されている方もいますね。

但し、脱退をせずに移住をしている場合は、日本居住と同様に国民健康保険料や国民年金保険料、さらに住民税などの納税義務が発生するので注意が必要です。

住民登録を残した場合

住民登録を残したまま海外移住をすると、日本居住と同じく、公的保険が使えるようになります。海外でケガや病気をしても海外療養費制度も利用することができますね。

海外療養費については別のコラムで紹介してます。

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但し、住民登録を抹消せずに住民票を残したまま海外に移住すると、日本居住と同様に色々な税金を納める必要があります。

一般的には、「国民年金保険料」「住民税」「国民健康保険料」の納税が義務になります。

では、もし住民登録を抹消せずに国民健康保険に加入したままになると保険料はどのくらい払い続ける必要があるのでしょうか?

住民登録を残した場合の国民健康保険料

国民健康保険の保険料は国民年金のような定額ではなく、世帯主(本人)を含む世帯の所得によって異なります。

市町村によっても計算方法が若干違いますが、一般的には下記の手順によります。

  • ①総所得金額等(前年1月~12月)を元に算定基礎額が決められる
  • ②算定基礎額を基準として「所得割額」と「均等割額」を算出される
  • ③40歳から64歳までの被保険者には介護額が加算される

以上のように決められた保険料は4月に確定し、6月頃に納付書が送られ、翌年3月までの10回で納付か口座振替で支払うことになります。

簡単に言うと、所得がない場合は算定基礎額や所得割がないので、扶養者がいない場合で月額約2,000~3,000円程になります。

ただ注意しないといけないのは、海外で得た所得に対しても日本で確定申告が必要(日本は全世界課税制度を採用)なので、実際には上記だけの金額ではないということです。

住民登録を抹消するかしないかは、この国民健康保険料に加えて国民年金保険料や住民税の納税が発生するので総合的な判断が必要です。

一時帰国で国民健康保険に加入すればいいのでは?

では、住民登録を抹消して海外移住をして渡航後の必要な時に一時帰国で登録すればいいじゃないの?と思われがちですが、一時帰国で加入はできるのでしょうか。

実は、短期間の転入出は管轄する市町村によって対応が異なります

仮に診療や治療のために短期間の加入と脱退を繰り返していると、最初の加入時に遡って日本居住の判定がされ、まとめて請求される可能性もあります。

なので、安易な一時帰国で住民登録をして、再び国民健康保険を使った後に脱退することはおすすめできません。

国民健康保険料は昨年度の所得によって加入した月から保険料が算出されるため、請求は加入月の翌月となります。

そのため、滞在期間やタイミングによっては保険料を払わずに保険を使うことになるので批判が出ているのも事実です。

国民健康保険・健康保険のよくある疑問

国民健康保険に任意で加入できるの?

住民登録を抹消すると公的年金と同様に国民年金も加入義務がなくなります。ただし、国民年金を続けたい方には「任意加入制度」を使うことができます。

ところが、国民健康保険の場合は、国民健康保険料を払い続けたいと思っても「任意制度はない」ので強制脱退になります。

退社後の国民健康保険の手続き

保険者が市町村であるため、住民登録を抹消すると自動的に国民健康保険の脱退となります。

もし、会社員などで海外移住の前に会社を退職される方は、先に健康保険から国民健康保険へ切り替える手続きが必要です。

配偶者がいる場合は、第3号から第1号への変更が必要になりますね。

手続きは、社会保険の喪失日(退職日の翌日)以降、14日以内にお住まいの市区町村で「資格喪失証明書」か「雇用保険の離職票」を届け出ます

脱退になる方は海外移住前に国民健康保険被保険者証を市役所の窓口に返却をし忘れないようにしましょう。

海外移住予定の退職者は任意継続被保険者になれるの?

移住前に会社を退職すると、その翌日から健康保険の被保険者資格が喪失します。

しかし、すぐに転職しない場合は基本的に国民健康保険が強制加入になりますが、選択肢として会社の「任意継続被保険者」になるという方法があります。

任意継続被保険は健康保険の被保険者期間が継続2ヶ月以上あり、 退職の翌日から20日以内に手続きをすれば、退職後も継続して2年間は任意継続被保険者として健康保険に加入する事ができます。

但し、任意継続被保険は国民健康保険と同様に住民登録を抹消すると加入できないので注意しましょう。

国民健康保険と任意継続被保険の違いは、保険料です。

私の場合は退職前に任意継続するかどうかを会社から確認されましたが、任意継続の場合の保険料は月額約3万円、国民健康保険料は月額約4万円だったので、任意継続被保険の方が年間で約12万円ほど安くなりました。

一般的には、国民健康保険と比べて任意継続被保険の方が安くなるようです。

海外移住後の保険はどうすればいいの?

住民登録を抹消すると国民健康保険は脱退になるため、一般的に移住先の公的保険か私的保険に加入することなります。

但し、日本で既に加入している医療保険については移住後も適用になる場合があるので、事前に保険会社に確認しておきましょう。

注意が必要なのは海外旅行で加入できる旅行傷害保険などは、短期間の旅行移動を対象としているため、1年以上の海外移住のような場合は対象外となっています。

もし移動中にケガや病気をしたら?

日本居住者で国民健康保険で海外でケガや病気をしてしまったときには、「海外療養費」を請求することができる場合があります。

海外療養費とは、海外でも日本国内と同様に原則3割負担で診療や治療を受けた場合に保険が使える制度。

但し、この海外療養費は日本国内での同様のケガや病気をして治療を受けた場合を基準(標準額)で支給額が決まります。

そのため、現地国で受けた治療費が日本の標準額よりも高い場合でも、支給額が少なくなる場合があります。

一方、住民登録を抹消している場合は国民健康保険が未加入なので、渡航前に民間の海外旅行保険かクレジットカードに付随する海外旅行保険でカバーできるか検討しましょう

但し、海外旅行保険は一般的に出国後90日間が対象なので注意が必要です。

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まとめ:住民登録を抹消するか残すかで公的保険の扱いが変わります!

海外移住で住民登録を抹消するかどうかで公的保険が使えるかどうかが変わってきます。

そのため、抹消しないままにしたいという気持ちもわかりますが、国民年金料や住民税の支払いなども関係してくるので、住民登録を抹消するかどうかをよく考えるべきです。

日本で既に加入している生命保険や医療保険は海外移住後も適用可能な保険会社が多いので、保険料の継続的な支払い額や保障内容の見直しをおすすめします。